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ウェス・モンゴメリーのオクターブ奏法

ジャズギタリスト、ウェス・モンゴメリーの代名詞とも言えるオクターブ奏法に取り組んでいます。
オクターブ奏法とは1オクターブ離れた同じ音を同時に弾いてメロディやアドリブを取る奏法です。
ピアノなどでも使われる奏法ですが、ギターではその構造上、音の出ていない他の弦のミュートの音も出ることにより、ダイナミックかつファンキーに聞こえます。

ウェス・モンゴメリーはこのオクターブを右手の親指のみで弾くことにより、ファンキーかつ温かみのある音で演奏することができました。(ピックでもオクターブ奏法はよく使われますが、右手の親指で弾くのとはかなり音のニュアンスが変わってきます。)

左手に関しては、ウェスは4,6弦のセット、3,5弦のセットを左手人差し指と薬指で押さえ、 4,2弦のセット、3,1弦のセットを左手人差し指と小指で押さえています。

この練習をしていると、左手のどちらの指を支点にして(注目して)演奏するべきか、という問題にぶつかります。
メロディの高い方(小指、あるいは薬指)、もしくは低い方(人差し指)のどちらを見るべきか、ということですが、僕は昔小指を見ていましたが、最近は人差し指を見るようにしています。
低い方を見るとローよりのサウンドが、高い方を見ると高音が際立って聞こえます。
理屈はわかりませんが、ウェスのような暖かい音は人差し指(ロー側)を見た方が出てくる気がします。

この奏法を練習する際、僕はまず人差し指1本だけで低い音だけを使い弾いてみます。
それができるようになったらオクターブ上に小指か薬指を足してあげるだけで、オクターブ奏法が演奏できるようになります。

この1本指だけを使った演奏は、昔Tuck & Pattiのタック・アンドレスさんに見せてもらったことがあります。指を怪我した時のために指1本で演奏できるように練習したそうなのですが、人差し指だけに限らず、中指、薬指、そして小指1本(!)で高速Be Bopのアドリブを取っていました。
あの時は速すぎて指がどうやって弦を押さえているのかわかりませんでしたが、今考えるとずっと弦に左手の指が触れており、その上を滑りながら、ちょっとだけ押さえて次に移動するような奏法でした。
ウェスのオクターブ奏法中の左手、またはシングルノートの演奏の際にコードトーンを飛んで弾く際の動きにによく似ていましたので、おそらくウェスのフレーズなどを練習する際に浮かんだアイデアなのかもしれません。

今はオクターブ奏法でウェスのFly Me to The Moonをコピーしているのですが、人差し指だけで練習して早く弾けてくると、なんだかこの動き見たことあるなあ、とあの時のタックさんの1本指奏法の動きを思い出しました。「あの時やっていたのはこれか!」と驚いたと同時に、昔できなかった動きが出来てきたことが嬉しくなりましたね。

ウェスの練習をしていると、タックさんや他のギタリストに繋がってくる。
やっぱりルーツを勉強することは大事ですね。
面白いなあ。

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